大阪の文化・経済・行政の中心である中之島は、2つの川と名だたる橋、それらと見事に調和する名建築物が「絵になる風景」を創りあげ、多くの画家たちによって描かれてきた。古くは近世の『浪花百景』、大大阪時代には佐伯祐三、小出楢重らが中之島をテーマにいくつもの名作を残してきた。 そうした大阪が誇る「景観的財産」である中之島を現代の画家二人はどのように描いたのか。堂島川沿いのアートスペース「中之島バンクス」に、2015年の中之島を描いた作品が集う。
- 「筑前橋からの眺め」
- (F6キャンバスにアクリル)
- 土佐堀川にかかる筑前橋から東を眺めると、川沿いに背の低いビルが建ち並んでいる。このあたりは川幅が狭く、川はS字を描くようにうねっている。阪神高速の高架がちらりと見え、その奥には中之島フェスティバルタワーと建設中のフェスティバルタワー・ウエストも描かれている。
- 「肥後橋からの眺め」
- (紙にアクリル/230×285mm)
- 「筑前橋からの眺め」と同じ場所を反対側から見渡している。曇天のような雰囲気は、橋のすぐ上を高速道路が通っていて、その影になっているからだろうか。ちなみに今月号の月刊島民の表紙はこの絵がモチーフになっている。
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奈路道程
なろ・みちのり 1964年高知県生まれ。制作社勤務を経てフリー。1994年度朝日広告賞1部イラスト賞受賞。この頃から雑誌『Meets Regional』(京阪神エルマガジン社)など雑誌の表紙画・挿絵を手がける。毎日新聞夕刊の月1回連載「濃い味、うす味、街のあじ」(江弘毅)の挿絵も担当。
- 「遠景、中之島」
- (紙にインク/770×570mm)
- 手前に見える天神橋や、高速道路、ビル、大阪市中央公会堂など、中之島を構成するシンボリックな要素が折り重なるように描かれる。
- 「渡辺橋、夜景」
- (紙にインク、水彩/770×570mm)
- 堂島川にかかる渡辺橋から東を望む。画面右端には中之島フェスティバルタワー、左の背の高いビルは竣工間もない新ダイビル。
- 「淀屋橋と日銀、かき料理屋」
- (紙にインク、水彩/770×570mm)
- アクアライナーの乗船場から見た風景。淀屋橋を中央に、左手前が牡蠣鍋の[かき広]、右奥が日銀大阪支店。その対比がなんとも面白い。
- 「淀屋橋、紅葉」
- (紙にインク、水彩/760×560mm)
- 中之島遊歩道から淀屋橋南詰を眺める。土佐堀通の街路樹も鮮やかに、画面左奥には、御堂筋沿いのイチョウの黄色がのぞく。
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河田潤一
かわた・じゅんいち 1964年大阪生まれ。1998年、マサモードアカデミーオブアートで学ぶ。ポップなタッチであらゆるモチーフを描き、個展、ライブペインティングなど、幅広く活動。近年は、大阪市営地下鉄構内トイレのリニューアルに伴い、作品が設置されている。
主催/月刊島民プレス 特別協力/中之島デザインミュージアム de sign de >
協力/大阪新美術館建設準備室
☆奈路道程さんが手がける月刊島民の表紙をモチーフにした、
月刊島民オリジナルグッズも会場で販売します。
展示会初日には奈路・河田両氏を交えての記念講座を開講!
- 大阪市北区中之島5-3-36 中之島バンクスEAST(大きな地図はこちら[google Map])
TEL 06-6444-4704 FAX 06-6444-4705
http://designde.jp